スウェーデンで最も歴史の長い日本食レストラン“Take-Mikado”

『スウェーデン中部エステルスンドのことは知らないけれど、日本食レストラン“Mikado”の事は知っている』、と言う人が少なくない、本格的な日本の会席料理をいただけるレストラン、Take-Mikado

Take-Mikadoのオーナーの竹内さんは、”Tim” の愛称でエステルスンド在住約37年。

日本とスウェーデンを行き来しつつ、Take-Mikadoのオーナーシェフであり続けています。

Take-Mikadoのオーナーシェフ 竹内さん

Take-Mikadoのオーナーシェフ 竹内さん

 

竹内さんはインテリアデザイナーを志し、勉強の為に1969年にヨーロッパ諸国を旅をしていたころ、彼の搭乗したモスクワからコペンハーゲンへのフライトが悪天候で急きょストックホルムに着陸することに… 予定外の国への着陸後、ヒッチハイクでスウェーデン各地を廻った際に、ふと「この国には、いつかまた来る気がする」と感じたそう。

その後も調理の勉強の傍ら、ベルリン、パリ、ロンドンで学び、最終的にニューヨークでの仕事のオファーを受け、同時期に出会ったスウェーデン女性と結婚した。そして、1987年、スウェーデン人妻とエステルスンド郊外にTake-Mikadoをオープンします。

80年代当時のスウェーデンで、本格的な会席料理を食せる高級レストランはほぼ皆無でしたので、Take-Mikadoにはスウェーデン国内からだけでなく、近隣国からも有名人がお忍びで来ることも多かったそうです。

ラーメンやお好み焼きも近年ようやく都会で流行り出してきたばかりで、和食に対する認識は他欧州国に比べると一番遅いとも言える北欧。

この10年でようやく「寿司」がデイリーフードとして定着したスウェーデンですが、本格的な会席料理を楽しめるレストランが、80年代に既にスウェーデンにすでにあったことが驚きです。

竹内さんの作る料理は、味はもちろん素材も厳選されているお墨付きですが、欧州各地で美術を学んでいた彼の美的センスから作りだされる会席料理の華やかさも楽しめます。

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竹内さんはとても気さくな方で、典型的な仕事人間。調理場には一点の曇りも許さず、床や調理器具の美しさを見ると、彼の仕事に対する情熱を感じます。

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2007年、不運にもエステルスンド郊外にあったレストラン店舗が火事で焼失してしまいました。しかしながら、現在は、エステルスンドの中心地、小高い湖が望める場所で、美しい朱色の鳥居とこだわりのある和テイストの内装になり、営業は再開しています。

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2010年には、米映画THE AMERICANの撮影でエステルスンドに2週間滞在したハリウッド俳優、ジョージ・クルーニーとそのスタッフはTake-Mikadoの存在を以前から知っていたらしく、撮影期間中はずっと貸し切りで、毎日竹内さんの料理を堪能したことは、スウェーデンでも大きく報じられました。

Take-Mikadoの存在は、ニューズウイーク誌で海外のベスト日本食レストランとして紹介されたりと、ハリウッドスターの間でも有名なんだそうです。

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エステルスンドは、2010年にUNESCO Creative City of Gastronomyとして認定されました。

先週(9月14日~16日)は、UNESCO Creative Cities Network Xth Annual Meeting で様々なエステルスンドの食文化を紹介するイベントが開催されました。

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そのイベントでは、30周年を迎えたTake-Mikadoと竹内さんのドキュメンタリー映画、“Japanen i Grytan”上映されました。

スウェーデンで本格的な日本食を広め、和食文化を継承している竹内さんには、これからも長く頑張って頂きたいですね。

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Kana
スウェーデン中部エステルスンド在住 2008年より、アンティーク・ファブリックの店オーロラスタイルを運営。 http://aurorastyle.com/